2012年6月6日に行われた、Google 主催 GoMo Publisher Dayに参加してきたので、内容をまとめていおきたいと思います。なお、このセミナーはAdSenseの内容も一部含まれているものの、どちらかというとウェブサイトのスマートフォン対応についての内容が多めになっています。
セミナー自体はGoogle担当者の新サービスGoMoに関する解説とGoogle Analyticsの活用法、サイト運営者や制作会社のパネルディスカッションに分かれており、今回の記事はパネルディスカッションについて掲載しています。
【 パネルディスカッション1 ユーザー編 】
ママスタジアム(http://mamastar.jp/) 三橋武敏氏(株式会社インタースペース)
ポケモン徹底攻略(http://yakkun.com/) やっくん氏
(以前行われたパネルディスカッションと同じお二方です→スマートフォン向けサイト最適化勉強会まとめII ~成功事例 パネルディスカッション~)
Q1.スマホサイトをこのタイミングで作ろうと思った理由。ユーザーからの反応。
三橋氏 「2011年10月。フィーチャーフォンメインだったが、2011年春ぐらいからママのスマートフォン保有率が増加。夏ぐらいに見逃せなくなり製作開始。」
やっくん氏 「ポケモンファンサイト。9年目。ユーザー層が若年層なので親和性有り。2011年8月に対応。お盆前に帰省等でPCが無くなる環境になると予想したので。PC:スマホ=2:1」
※モバイルのトラフィックは長期連休時に伸びる。
Q2.ユーザビリティや広告収益など、スマートフォンサイトを作る際に意識したこと
やっくん氏 「画像をなるべく使わずにCSSで対応。サイト(表示)が重くなるのを防ぐ。広告を目立たせるためにシンプルな色彩を心がけた。」
※派手な壁紙を使うと視線の逃げ場所がないので目が疲れる→すっきりしたデザイン
三橋氏 「フィーチャーフォンメインからスマートフォン対応なので画像は増やした。ただサクサク感には気をつけた。導線が一本なので、サイトのコンテンツを考えて広告を挿入。トップロゴ下に320×50サイズ、個別記事に300×250サイズを配置。」
Q3.スマートフォンサイトを作成してAdsenseno収益がどうなったか
三橋氏 「CTRが10倍になった。CPCもフィーチャーフォンより高くなった。収益源のメインになった。」
やっくん氏 「PC版の収益は変わらず、モバイル版は2倍になった。以前は長期休暇明けは収益下がったが、スマホ版は変わらない。」
※いつでもサイトを見れるので、逆に向上していると見込まれる
Q4.サイト作成後に運用で苦労している点、改善したい点。
やっくん氏 「サイト全体で同じソースをCSSで変えていたが、テーブルタグを使うとレイアウトが崩れる。最適化のためにHTMLを書き換える必要ありと感じる。フラッシュ(iPhoneが非対応)の代替化。個体識別番号が取れないのでユーザー制限が難しい(荒らし対応)。クッキーでアクセス制限をしているが、個人レベルでの対応難しい。」
三橋氏 「ユーザー管理の方法が悩ましい。端末IDが取れないので、今までは会員登録しなくても書き込みできたが、メールアドレス取得等の会員登録をすることで書き込み制限をした。会員登録するメリットを訴求する必要がある。」
Q5.iOSとAndroidどっちが収益高い?
やっくん氏 「iPhone:Android=1:2。」
三橋氏 「もともと地方ユーザーも多いのでソフトバンクユーザー5%≒iPhoneユーザーが少ない。85%:15%=Android:iPhone」
Q6.PCとスマホのクリック率の違い
三橋氏 「10倍ぐらい違う。」
やっくん氏 「2倍程度違う。CPCは変わらない。」
Q7.他社と比較して、スマートフォン向けAdSenseの違い
やっくん氏 「広告の種類が多い。320×50サイズの広告は強力。」
三橋氏 「CPCでは図抜けて高い。オーバーレイが使えないので、それは他社さんで対応し、インラインはアドセンス。レポートツールが比較にならないぐらい良い。」
【 パネルディスカッション2 制作会社編 】
株式会社IMJモバイル(http://www.imjmobile.co.jp/) 川畑隆幸氏
スマートソーシャル株式会社(http://www.smartsocial.co.jp/) 酒井氏
Q1.指で操作しやすい、見やすいレイアウト等、例を通してアドバイスしてください
酒井氏 「スライド型、アイコン型、メニュー型、タイル型、媒体に合わせて相談。スライド型→ECサイト(ママスタジアム)、ゲーム会社→アイコン型、ポータルサイト→メニュー型が一般的。タイル型→スマートソーシャルで実装している。」
川畑氏 「テキスト、画像は大きく。リンクは押しやすく。スクロールしやすい。デザインをダサくすると、逆に操作がしやすい場合が多い。作る側がいいと思っていても、ユーザー側は違ったりする。男性は親指、女性は中指で操作している人が多いという特性(基本は人差し指だけど)。女性のネイルは親指から人差し指に遷移(魅せる指が変わってきた)。」
Q2.予算との兼ね合い
川畑氏 「ターゲットが誰なのかという設計をしっかりやると、それだけ予算はかかる。変換エンジンの使用でコストが変わってくる。手作りかASPベースか。」
酒井氏 「ASPを使っての変換が5分でできる技術もある。」
Q3.今まで対応した企業サイトでの成功事例、失敗事例
酒井氏 「大手情報サイトのスマホ対応化。注力ポイントはストレスなく会員登録させるか。相手の端末の特定、視聴時間、データをもとに泥臭い作業を続けて最適化・設計を行う。」
川畑氏 「スマホに限らずだが、2008年ぐらいはスマホ対応させること自体がニュースだったので目的なく作っていた企業もある(何度も作りなおした結果、大概、コストパフォーマンス悪い)。動きにこだわり過ぎるとパフォーマンス下がる場合があるので注意。とりあえず作成は×。成功事例はUNIQLOCK。2008年公開なのでまずスマホ対応自体がニュースになった。デバイスをマーケティングツール。三井のリハウス→リリース2010年3月。iPhone用サイトを構築。CVが向上した。指の動きを撮影し、それを軸に設計。ユーザビリティにこだわり。アプリの場合はアップデートというハードルがある(ユーザー主導)→ウェブだと企業主導で改善(アップデート)できる。」
こんな感じー。